『THE DIGITALIAN』のツアーDVDが出るので今更だけど『Take Off!!!!!』を読解する

2014年10月24日に『Take Off!!!!!』を聴いてついカッとなってクォリティの低い長文を書きなぐったものの公開せず、下書きに眠らせ続けていたヤツを見つけた。自分で読み返してみたらちょっと楽しくなっちゃったので、今更だけどデジコンBDリリース記念ってことにして手直しして放出しちゃう。参考文献:2014年9月10月のオトノハ


そのうちご本人が講釈垂れてくださるだろうから勝手なことを言うのはどうかと思っていたのだけど、あんまり解決しなかったところや気になるポイントをちょいとピックアップ。

前提として、オトノハで「La tormentaから紐解いて」Take Off!!!!!を書いた、とご本人が言っています。そんでLa tormentaは「(過去、唯一)サビまで書いた」曲だとも言っています。Rapだけじゃなくてサビまで書いたLa tormentaがベースになっている、ということを踏まえてどうぞ。*1

 

-「いちに しのごの言わせぬ the 秘蔵っ子」

四(し)の五の言・う【四の五の言う】
なんのかんのと文句や不平を言う。「―・って言うことを聞かない」
提供元:「デジタル大辞泉

何で「いちに」付けたんだろうね。特に関係ないだろうけど何となく思い出すのが昔、「1 2 5 君で 3 4 がない right?」*2なんてリリックもありました。話逸れるけどこの「1 2 5 君で」って表現、絶対努力マン脳裏にいただろ~!wって思ってるんだけど翔さんどうなの?ラッキーマン世代って言うにはちょっと年が上な気もするけど。でもだって普通1と2と5って違うもの入れるじゃん?同じの入れたら「1に努力、2に努力、3・4がなくて5に努力!」じゃん?w

-「色とりどりの虹」「What's your color なくても doesn't matter」
あんまこういうヲタク寄りの思想押し付けたくないけど、な~んかメンカラが浮かんじゃうよねぇ。なくても問題ないよっつって。何色でも構わんよっつって。

-「Hurry! 暁の間に」「Telling! すぐに夜明けに」

あか‐つき【暁】1 太陽の昇る前のほの暗いころ。古くは、夜半から夜の明けるころまでの時刻の推移を「あかつき」「しののめ」「あけぼの」と区分し、「あかつき」は夜深い刻限をさして用いられた。夜明け。明け方。
提供元:「デジタル大辞泉

夜とかのワードを聴いて思い出すのは『RIGHT BACK TO YOU』の「明くる晩」なんだけど、ど、、、?っていうのは乱暴かなあw講釈欲しかった。
『Attack it!』(2009)の
「明くる晩もまだまだ Hold me tight 絡まってこのまま騒ごうぜ同志達」
「明くる晩もまだまだ“もういいかい?” ただ待ってくれる輩などそういない you see」
これは
『RIGHT BACK TO YOU』(2004)の
「明くる晩もまだまだ包囲内 だからって隙あらば逃げる事を理解」
がベースにあるのはまあ間違いなくて、この「明くる晩も~」って言葉にはもんのすごい意味が込められてるっていうのはきっと言わなくても今まで散々語り継がれているよね???って思ったんだけどあれって初回限定盤にしか入ってないんですっけ。5x5についているセルフライナーノーツで翔くんがライバのRapについて解説していまして、しかし実は今手元にないので記憶だけでさっくり説明すると、「明くる晩」は明日。つまり未来。「包囲内」って言うのは自分たちのファンで居てくれているという意味で、明日は包囲内かもしれないけれど「隙あらば逃げる」=自分たちがうかうかしてると応援してもらえなくなることを分かっていますよ、という意味だそうで。で、「人々連れ開拓宇宙」は包囲内にいてくれるなら一緒に未開拓地を開拓していこう的な意味で。*3
そんなライバ(2004年=5周年)から5年経つ(Attack it)と、「まだまだ」「このまま騒ごうぜ」になるわけです。ちょっとだけ能動性とか自信が出てくる。あと「同志達」と言われると『スケッチ』(2004)が思い浮かびますね。*4 でもやっぱり「ただ待ってくれ」ない(≒「隙あらば逃げる」)のは分かってるわけです。
…とまあ「明くる晩」シリーズがつながってるのは自明として、「暁」「夜明け」をここに繋げるのはやっぱり乱暴かなぁ。単純に飛行機は深夜に離陸はしないから、夜が明けたらすぐに飛び立とう!というモチーフの意味だけかも。でもこじつけかもしれないけれど、もしも「暁の間」や「夜明け」が「明くる(晩)」と同じと仮定すれば、Attack it(2009年=10周年)から5年経つ(Take Off!!!!!)と次の晩なんて待たず夜が明けたらもう先のその先へ行こう!とだいぶオフェンシブになった印象。それに、「隙あらば逃げる」のような離れていく側は見なくなってますね。「舞うからまだまだ 行こうよ」って呼びかける方(「開拓宇宙」の流れ)だけ残ってる。っていう妄想。
それにしても「添い行く come together」とか「人々連れ開拓宇宙」とマインドなんら変わりないよね。10年経っても状況こんなに変わっても同じこと言ってるよね。愛しい人たちですね。

-「Let's get it on!」
『Take Off!!!!!』を書いていた頃のオトノハで「“れっつげのん”」と言っていたくらいだしこれは『A・RA・SHI』(1999)由来かと思ったんだが『A・RA・SHI』は「Let's get on」なのか。でもイディオム的に「Let's get it on」が正解?まあ『A・RA・SHI』の作詞家はアレだからなぁwここは深くツッコまずさっくり行こう。

-「光る5つの輪の向こう」
「5つの輪」は『Re(mark)able』(2008)から。では、なぜ光っているの?『Re(mark)able』で「松明」を「灯」したから?『Re(mark)able』から今までの間に「光をこの手に掴」んだから?飛行機が光る輪に向かって飛んでいるの?越えていくの?光る輪は空に浮かぶものなの?元々あるの?あー分かんない、教えて先生。*5

-「波とセッション発祥」「颯爽」「滑走路」
こ!!れ!!は!!!『La tormenta』からの引用で間違いない。トルメンタっていうと♪Ride on fire storm~ を口ずさむ人も多いと思うけどあのフレーズがついたのは2003年の『how's it going?』のコンサートからで、あれが3形態目のトルメンタになります。あ、でもあの時のタイトルって『La tormenta chapter Ⅱ』だっけ、そしたら2形態目と数えるべきなのか…?

第1形態のトルメンタの登場は2001年の春コン『嵐が春の嵐を呼ぶコンサート』で、あの時は
「嵐 探し shout out しっぱなし 嵐 探し shout out しっぱなし 嵐 山が上 下に置く風 AMNOS神風」
の繰り返しがサビ扱いでした。
第2形態のトルメンタはその次の2001-2002の冬コン『Join the STORM』で*6、その時に
「確かに 駆け出し 負けなし is嵐 波とセッション発祥 滑走路 颯爽」
という歌パートが出てきます(ということを私は『Take off!!!!』を聴くまですっかり忘れ去っていて、「波とセッション発祥ってなんか知ってる…なんか知ってる…どこで知ってるんだ私…」って考え込むこと数時間でやっとメロディ思い出した)。「波とセッション発祥」っていうのはもちろん、ハワイのクルーザーの上で(波とセッション)デビュー(発祥)したよ、の意でしょう。翔くんの言っている「サビまで書いた」はこの太字部分のことを言っていると思います。そしてここを紐解いて『Take Off!!!!!』を書いたのだと思われます。

「嵐 探し shout out しっぱなし」「確か」「駆け出し」のライムは2002年の『Theme of ARASHI』に、
「嵐 山が上 下に置く風 AMNOS神風」は『la tormenta 2004』に既に生まれ変わっているので、今回のTake Off!!!!!で残っていた「波とセッション発祥」「滑走路」「颯爽」のライムも音源として形になったことになりますね。

………余談だけど、「嵐 探し shout out しっぱなし」というフレーズのそもそもの初っ端は2000年の夏コンの桜井ソロ*7(自作ラップ曲『fly to the moon』)になります。こんなわけでリリックのリプライズみたいなのはちょいちょいやってる。

-「あん時には結構 that's all 逆境を脱走 "Hello, what's wrong?"」
この流れでこの詞が来るなら「あん時」とはLa tormentaを歌っていた2002年の冬、というかレーベル移籍やピカンチがあったあの頃のことと捉えていいよね?…って思ってたんだけど、じゃなくて「波とセッション発祥」したとき(つまりデビュー当時)のことだろうか。いやでも逆境を脱走感あるのはやっぱ2002~2006年だなあ。*8*9
that's all:それがすべて。これ以上ない。
what's wrong?:どうかしたの?どうした?

-「地上の飛行法」
1番の「素人なりの我がこの飛行方法」は分かりやすいけど、さてこの意味は。どちらにしても素人の飛行、地上の飛行、と飛行に似つかわしくない言葉を並べることで自虐、謙遜の側面があるのかな。「守り通すヤツらだと曰く付き」*10的な。

-「叫びゆく "Take it!"」
“Take it so so”由来………?(自信はない)私はTake it! つったら『スケッチ』の最初が浮かぶ。

-「My Fellow, ARASHIANS」

ケネディ引用かと思いきやオバマ引用だったわけだが、オバマケネディ引用であるので、できれば翔さんにはそこまで言及してほしかったところw(後乗せサクサクでもOK)

-「Past and futureの滑走路を」

そこはかとなくLa tormentaを想起させてセンチメンタルにさせておきながら結局未来志向なのだよね~。翔くんは折に触れそういうことを言葉にする。「自分たちの仕事は現状維持が必ずしもいいことだとは限らない」みたいなことを都度都度言っていたり。アルバムの話をしているオトノハで『Future』(2007)のリリックの心境だと言ったり(「だって僕ら見るのは 昨日じゃなくいつでも今日じゃない」あたりかな)嵐については『Rock this』(2011)あたりで書ききったと言っていたり(「見える明日を過ごすのはてんで御免です」とかね)。5年周期で振りかえりたくないとかいう割には今回もこんなに丁寧に過去から紐解いているけど、それが目的なのではなくてあくまでそのPastからまっすぐのびる滑走路をfutureに向かって飛んでいくお話なのだよな~。

-「光る6の輪の向こう」
なぜ「むっつの」ではなく「ろくの」なんだろう。むっつでも音的にハマるし、どっちも韻関係ないよね?ここに意図はあるのですか先生。講釈ください先生。
ここの詞の解釈において“6人目の嵐”説をあんまり支持したくなかった私は「Past(5つの輪) and future(6の輪)」、つまり15周年の先にある16年目のその向こう説を推したかったんだけど、デジコンの振付を見るとまあ素直に「A to the r a shi…and you!」 つまり「聴いてるあなたも含む同志よ~」だろうね。
だとしてもそもそも何で光るのかがやっぱり分からなくて、リマカでLIGHT UP!したからかな?とも思いつつ「光る6の輪」を色々調べた結果、翔さんの脳裏に浮かぶ大空を舞う飛行機はブルーインパルスだったらいいなあと思った。*11

 

 

 

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※以上ヲタの勝手な読解になりますので、翔さんの真意と違っていても怒らないでくださいw

*1:ついでにLa tormentaはスペイン語で「嵐」という意味で、最初に作った2001年当時翔くんは大学1年生から2年生に上がる頃で大学で第二外国語にスペイン語を選択していたので、そっからこのタイトルをつけた、って話もいうまでもないですよね。

*2:『Overture』(2005)

*3:これを読んだ友達が「櫻井くんってやっぱり頭いいわ!こういう客観視ができて冷静に状況見えてるのすごいよ、感動しちゃった。」と言ってくれたのが嬉しくて嬉しくて私はこの詞が大好きでな….。

*4:声高に呼ぶ同志と 聴いてるあなたも含む 同志よ

*5:これが、後で述べる飛行機が描くスモークのことなら納得できる。青空に浮かぶ白い飛行機雲は光って見える。

*6:この間に少クラ版トルメンタもあるけど、それは第1形態の進化系って扱いでいいでしょう。少クラ版はNHKでOAするにあたって「涙をふき健太を演じた」とか「二代目就任金田一」とか「夏前に父さん」とか民放ドラマネタを省くためRapがちょろっと変わってる。

*7:当時は「桜井翔」くんなのであえて。

*8:ピカハフ表紙の会報眺めながらRap書いてたとも言ってたし、やっぱ本作のリリックにはピカンチ期(2002~2004)への郷愁みたいなのも含まれると思うんだあ。

*9:私は2014.06~09のピカハフからハワイまでをひと続きのイベントとして見ている。

malika5.hatenablog.com

*10:『COOL&SOUL』(2006)

*11:丁度翔さんがこのリリックを書いていたとされる頃、国立競技場が閉鎖されて、そのセレモニーでブルーインパルスが飛んだりしてたから。あと、この頃録画した『空飛ぶ広報室』を見て時差でどハマりしていたという私の都合wでもデジコンのムビステの形ってブルーインパルスの隊形に似てるよね。デルタ隊形で1機目の後ろに位置する4機目を抜いた5機分の形。