カラフト伯父さん大阪公演メモ

2015.05.24 マチネ

初めての梅芸~!

 

といっても梅芸とドラマシティて別モンなんだよね?大阪で舞台観るなんてそれこそ『Beautiful Game』の千穐楽ぶりっていうかあれっきりだったわ。舞台遠征は人生で2回目。あ、うそ、BGの前に1回松竹でエイト見てたw*1 訂正、人生で3回目の舞台遠征。
伊野尾さんはどうも10年前にも梅芸(メインホールの方)に立っているようですね。はい、ウィキペディア先生から得た知識ですけど。

 


■第一場
ずっと思っていたけどストーブを抱きしめて、抱きかかえながら逆の手でそっと撫でてスイッチ入れるじゃない?うちらそのストーブつかないって知ってるからいいけど、もし点いたらあんた燃えるよ?あと撫で方えろい(絶対狙ってやってる)
大阪、ここらへんから既に客席の笑い声がでかい。そうだ大阪で舞台観るの10年ぶりだった。劇場内の空気感が既にちがう。
買ってきたお菓子ひとつずつ出して~濃厚チョコブラウニーの袋を開けて~……ポロッ!!ゴトンッ! お、落ちた!ていうか折れた!!!と思ったら拾った!食った!!エエエーーーー食った~w と会場笑い。その後「床油まみれやぞ!」って言うんじゃないの?wそこ床油まみれなんじゃないの?w徹くんその辺気にしないタイプ?3秒ルールいけちゃうタイプゥ~~~~?
このブラウニーが折れて、一瞬思考して拾って食ったのがすごいよかった。徹くんとして思考しててよかった。
「財布の中身も 給料日前で すっからかーんじゃ」 すげえねっとり。
「駅前にビジネスホテルあったやろ!」「泊まれるわけないじゃんお金ないんだもの。じゃああんたお金貸してくれるの?」「あっ!ほっ!らっ!しっ!」 これもだいぶ派手な演出になってる。
荷物のドタバタも今までよりもどったんばったんしてるし何かクドイ。新喜劇みたい。大阪意識して演出変えたのかな。
「お前、それバレバレやぞ!!」の演出は大阪バージョンも良かった。
(東京:仁美ちゃんのキャリーを押しながらも同時進行的に悟郎ちゃんのことも見てる、ドタバタ感がよい。/大阪:仁美ちゃんのキャリーを押して通り過ぎたところで、「?!」テテテテ…(←後ろ歩きで戻る)「お前、それバレバレやぞ!」戻ったところで声出して笑った。)

■第二場
電話してる仁美ちゃんに向かってチョップするとこ、「やーめーなーはーれ!っ」って声出しながらになってる。最後のかめはめ波だけサイレント。
うーん。私は東京バージョンの方が好きだ。
バナナ入れ動かす時も「ていっ!」だか声出しながら言うようになってた。うーん。
1場の最初もずーっと静かで、静寂で、ドタバタが終わって2場で徹くんだけになったらまた会話がなくなるっていうのが好きだったんだよなー。かめはめ波やる愉快さはあるけど物を発さない徹くん。バナナを黙って食いきって、「おなか空きましたね~くれないんでちゅよ~」ってお腹の赤ちゃんにしゃべりかける仁美ちゃんを見ながら黙ってバナナを用意する、そのまだ距離感図ってる感が一人で生きていて世間とあまり接していない青年っぽさがあって好きだった。
「わー驚いたー」の言い方は良かった。棒読みデーーース!て感じの分かりやすい演出になってたけど、それが良かった。

■第三場
「歯が浮くんじゃボケェ」の言い方がさらっと吐き捨てるようになってた。前はボケェがもっと強かった。気が。語気が強いと怒ってる、喧嘩してる感じになるけど、吐き捨てると諦めきったような、もう聞く気もない傷ついた感じになる。
車に戻って「添い寝してやる!」「やめろや!」のところで帽子が取れた!!!!!さらさらの伊野尾さんの髪が見えるとふっと見えてはいけないものが見えたみたいな、徹くんが裸になったようななんかすごく徹くんが徹くんじゃないような気持にすらなるようになってきた。徹くんとしてのあの顔は帽子かタオル込みで認識するようになっているから髪が見えるとドキッとする。
そういえば、「お前彼女とかいないのか?いないなその感じじゃ」って言って悟郎ちゃんが窓に手をかけてそのままぐーーーッッと下げるやつ、あれ、悟郎ちゃんが力で窓開けてるイメージなのかな?でもどう見ても徹くんが一生懸命にぐるぐる回して窓開けてあげてるの笑ってしまうw
地震のときは?!」「電話した!」「チッ」って舌打ちした。気がした。そのあともすごくぐるぐる回る演出がすごくよい。イライラしてるなって。

■第四場
そうだ、今更だけど「サーンキュ!」で土足ボンっ!ってやるのはどうなのだろうか。ってその瞬間の徹くんの表情ガン見しちゃうw傷ついてない?大丈夫?w

■第五場
ハンドルは「あと2回」 2回に二重下線、かな。
江戸ポルカ流れながら駐車するところは2回入れなおした。
「ダメよお。悟郎ちゃんは何だかんだ血が繋がってるけど、私は赤の他人だもん」って言ってる仁美ちゃんが真っ赤なコート、真っ赤なネイルに真っ赤なバックなのがなんか急に引っかかった。狙ってるのかしら。
「はい、座る」のところは「イチ、ニ、イチ、ニ」って。
大阪から悟郎ちゃんの芝居が変わった。「千鶴子と結婚してから楽しい思いをさせた覚えがない」のところが、すごくゆっくり話すようになってて、東京のころよりも後悔してるような、ちょっと自分を責めるような雰囲気が濃くなってる。

■第六場
「あんた私の扱い違くなーい?妊婦なのよ妊婦!」「ハイハイ」このハイハイの言い方がなんかまた東京とは変わってきてた気がするけどもう記憶があいまいw


2015.05.24 ソワレ 大千穐楽

■第一場
最後の「背水の陣なんだ!」「分かるか!分かりとうもないわ!」で車にしがみついてよじ登るみたいにするのやってた!マチネではやってない。東京では何度かみたことあるけど、最後の気合いなのかすごいしがみついてて、すげえウケてた。

■第三場
ここが千穐楽は素晴らしかった……見てた場所が良かったとか、自分の受け取り方の問題かもしれないけど、すごい気迫だった。すごい怖かった…。
なんだろう、本当怒ってた。私はこの回で一番心ふるえたのが三場の芝居だった。父親らしいことしたことあるか?!って怒るところとかすごかった。毛布にくるまりながら怒りを宿す伊野尾さんに、ああこの人はもう「何か」を物にしたんだな、って…たかが1か月前が遠くて眩しくて、本当この1か月色んな伊野尾さんが見れて幸せでした。

■第五場
いつもより多めに投げておりまーす。 って、ふざけたいわけじゃなくて(つい)。でも正直あの暴れるところは最後の力をすべて出し切らんと振り絞ってる感があった。*2 升さんも伊野尾さんも千穐楽は全体的に「これが最後のこのシーン」感がすごくて(役の特性か、松永さんよりこの二人が色濃かった)、荷物やら一斗缶やら投げるところも正直この回の怒りというより、1ヶ月分の想いで暴れているように見えた。だから余計に見ててウッってきて。ああああ、徹くん、がんばって、って。徹くんが1ヶ月分の想いを吐きだして暴れているのなら、私も1ヶ月分の想いで見守っていた。
徹くんはこの想いを吐き出さないといけないことを知っているから、独白はだいたい頑張れー!って見守るように見てしまう。(伊野尾さんの芝居へのがんばれではなくて。) がんばれ!言うんだ!悲しかったことムカついたこと求めていたこと全部言うんだ!言い切るんだ! って私はだいたい拳を握りながら、いけ!いけ!って思いながら、そういうスタンスであのシーンは見ていた。だから、「ずっとずっと、叫び続けたんや。ずっとずっと、あんたが来てくれるのを待ち続けてたんやーーーー!」まで行くと、よし、よく言えたね、がんばったね、って徹くんの背中をさすりたい気持ちになる。さする役目はカラフト伯父さんなのも分かっているけど。
千穐楽の徹くんはいつもより多く暴れ、本当に完全に体の中のすべての悲しみも痛みも掻き出すように叫ぶから、今まであまり泣けなかった私もなんだか嗚咽しながら応援していた。悲しくて泣くとかじゃなくて、苦しくて泣くとか、応援しながら泣くとか初めてだよ。
すごかった。ただ、すごかった。あの会場の空気はすごかった。

■第六場
最後の最後の「ほな、行こかーーーーーー!!」は本当に満干の思いの「ほな、行こかー!」だった。それぐらいその時のあたりの伊野尾さんの表情が「あーーーーーーーーーこれで最後だーーーーーこの台詞言ったら終わっちゃう~~~~~ほな、行こかーーーーーーーーーーー」と言わんばかりの表情だった。行くのは駅にじゃない、徹くんの未来にでもない、『カラフト伯父さん』という作品への感謝や、この作品を経て得た色んなものを抱えて次に行こうという意味の「ほな、行こかー!」だった。でもそれでいいと思う。千穐楽というものはそれでいいのだと思う。それでもいい、それもいいのだと思う。

■カーテンコール
東京楽の方が「ああああ終わったあ><」感があった気も。やっぱり2週間みっちりはすげーやりきった感あったのかな。3回目のカテコで出てきたとき、まず升さんの方向いて手を差し出してたの。でも升さんに促されて座長挨拶。すごくふわふわと笑いながらちょっとうるうるしながら。「升さん、松永さんに支えられて…(ちょっとうるっと。へへって笑う)僕にとって初めての舞台がこの舞台で良かったです。演出の鄭さんや多くのスタッフさんに助けられて無事東京大阪やりきることが出来ました。ありがとうございました!」(ニュアンス)
そして升さんに握手を求めてぎゅうっとハグ。これが客席からは升さんの背中と伊野尾さんの腕しか見えない感じなんだけどぎゅうっとしがみつくように、パパに抱き着く幼子みたいな、本当子供みたいなしがみつき方。その後松永さんにも握手してハグするんだけど今度は伊野尾さんの背中がこっちに向いてて、松永さんが伊野尾さんの肩をとんとんってするような。松永さんには失礼だけど、本当に家族のようでした。
最後ハケて行くとき松永さんと升さんはキャラの何かに沿ったネタを挟んでいたけど、千穐楽で升さんはエアトランプを切ってシュンシュンシュンシュン…て飛ばしてぱしっ!て取ろうとしたのにミスって自分に刺さる、というボケをしていて、ハケる前にそれをもう一回やったらシュンシュンシュンシュン…ぱしっ!っていのおさんが自分に刺さってぱしっ!って捨てるアドリブをした!それを見て笑いながらエアトランプの束をいのおさんに託す升さん…!(´;ω;`) でもいのおさんトランプの束しまったw ここで即座に自分が刺さりにいったのすごく空気読めてたしアドリブ力高いな~って。でもきっとこの1ヶ月で鍛えられた面もあるよな~って。

よく「初めての作品がこの作品で良かったです」っていう挨拶は定型文のようなところがあるけど、芝居に関して本当にまだヨチヨチ歩きを始めたばかりのような伊野尾さんにとっては二人は親のようであったと思うし、ヨチヨチ歩きだからこそ3人芝居だったのかなって。出演者が、演出家が、みんなが伊野尾さんを見守って育ててくれるこの作品だからこそ良かったのかなって、挨拶聞きながら思って。だから「初めての舞台がこの舞台でよかったです」っていうのは本当に心からそうだろうなと思った。そういう作品に出逢ってくれて、そのターニングポイントだろう場面に居合わせることが出来て、ファンとしてもとても幸せでした。

伊野尾くん初座長舞台、全17日間27公演お疲れ様でした!

*1:ちなみに2005のマジサマ。内を観に行ったのに、そこにいたのはじゅんじゅんに~キュンッキュン~だったという切ないあれは2005の夏…。松竹ドセン2列目っていう驚異的神席だった2005の夏…。Oneコンオーラス後、脳内BGMは『風見鶏』で青春18きっぷを握り締めムーンライトながらに乗り込んだ2005の夏…。

*2:ショーマストゴーオンの人の美学には反してしまうけど、やっぱり千穐楽って+αの想いが溢れ出してしまうよ…と思ってしまった。